日射熱が微細水ミスト蒸発時の気温低下に及ぼす影響に関する実験的研究

摘要

微細水ミストは気温低減効果を期待し、屋外などの暑熱環境で使用されることが多い。この場合、ミストの気化熱取得先が空気のみであれば一律に気温低減効果が期待できる。筆者らは日射環境下の日射熱が気化熱取得先として影響している可能性を考慮し、ミスト蒸発時の日射量と気温降下量の関係について実験的に検証を試みた。本研究では、通風による微細水ミストの拡散と蒸発の影響を排除するため、透過率を考慮したガラス製ボックス（2,000×1,000×1,000mm：以下、実験装置という）を用いて、日射有無の比較実験を行った。なお、既報成果より、乾球温度は超音波風速温度計を用いて測定している。日射熱がミスト気化熱源として影響しているならば、日射量と気温低下量とに何らかの相関が現れるはずである。本報では、実験装置内の日射有無による気温低下量の実測値、日射量とミスト蒸発量（絶対湿度）および気温低下量の関係を検討した結果について報告する。