保育園の室内遊びにおける異年齢交流と室内構成との相関分析:異年齢集団保育から見た保育園の空間構成の研究（その6)

摘要

保育園における保育形態は、同年齢育と 異年齢保育（基本となるクラスを異年齢で構成する）に大 きく分類することが出来る。異年齢保育では多様な子ども と触れ合う事によって、豊かな人間関係や活動の展開が生 まると言われている。核家族化が進む中、子ども達が年齢 の枠を超えて自発的に活動できる保育環境を整える事が、 現代社会に求められる課題であると考える。本研究は、こ れらの社会状況をふまえ、今後ますます重要度が増すと考 えられる異年齢保育を行っている保育園での園児の行動 観察を中心に、保育園の建築計画の指針を得ることを目的 としている。本編では実際に異年齢保育を実施している5 園（表-1)において、自由遊び時間内の室内遊びにおけ る異年齢間の交流状況の実態と物理的な要因との関係を 相関分析、重回帰分析等の多変量解析を導入して、定性的、 定量的に関連性を明らかにしようとするものである。