全館空調換気システムが採用された住宅におけるエネルギー効率に関する測定その 5 全館空調換気システムの高効率化による暖房エネルギー効率に関する検討

摘要

住宅におけるエネルギー消費量を抑制するために、設備機器を含めた住宅全体でのエネルギーの効率的な使用が必要とされており、そのために設備機器を実際の使用時に即した状態で評価を行う事が重要となってきている。住宅用の空調機器においても様々な評価がなされているが、実住宅における全館空調換気システムの評価事例は未だ少なく、今後さらなる検討が必要とされている。既報において、暖房時のエネルギー効率について、参考文献「住宅事業建築主の判断の基準」の解説書に準じた評価結果を報告したが、解説書におけるエネルギー量評価では、「定常条件」の精査、負荷率の高いデータの取得、機器効率の面では、低効率で運転される暖房負荷率の低負荷期間の発生頻度の抑制等の課題が残った。そこで本報では、建物の高断熱?高気密化を考慮して、定格能力を小さくし、高効率化した機器に入替え、既報に準じた暖房エネルギー消費量評価を行ったので報告する。