木造3 階建て学校の実大火災実験（準備実験）:(その13) 温度3(延焼経路推定)

摘要

はじめに本報では前報(その12)で計測された建物各部屋の温度データから、天井付近の温度が450°Cを超えた時間を当該空間の延焼時間と定義し実験建物内の延焼経路を推定した。表1に前報の室温測定結果について各部屋に設置した可燃物の発熱量密度、内装仕上げ(不:せっこうボードまたは強化せっこうボード、可:木材)および計測タワーで計測された温度が450°Cに達した時間(再着火からの経過時間)を纏めた。延焼拡大の様子を視覚的に判り易くするため同時刻の各計測位置の天井面温度(計測高さを平面図に記入し、当該温度が260°C以上(450°C未満)となった場合、当該計測位置が代表するゾーンを黄色、450°C以上となった場合は赤色で示した。天井面温度が450°C以上になった時点を延焼時間と想定し、代表的な事象が現れている例を図1～6に示す。