木造枠組壁工法向け制震ダンパーの開発その1 ブレースタイプの力学特性およびモデル化

摘要

近年粘弾性制振ダンパーは、風や地震等の外力を吸収 する目的で、様々な装置として開発?実用化が進hでい る。今回筆者らは、木造枠組壁工法向けにブレースタイ プ制震ダンパー『TRC-2×4』を開発した。本ダンパーは、 小さい変形から大きい変形まで制振効果が得られる必要 があるため、速度依存で減衰性を大きく発現できる特殊 スチレンオレフィン系材料に、更なる減衰性の向上を狙 い、減衰フィラー?粘性液体を添加することにより、小 歪から大歪において高いエネルギー吸収量を有する粘弾 性体『TRCM-2』1)を用いた。本粘弾性体は架橋をしてい ないため、分子同士の摩擦が大きく、架橋ゴムに比べて 高い減衰性を有する。今回、制震フレーム加振実験によ り、『TRC-2×4』の性能評価を行った。本報その1では、過 去に筆者らが実施した木造軸組構法向け制震ダンパー 『TRC-30A』と同様の手法1)で、『TRC-2×4』を施工した制 震フレームの動的性能と力学モデルを比較し、その妥当 性を検討する。またその2では、『TRC-2×4』を設置するこ とによる耐力壁性能への影響について報告する。