低熱伝導率材の熱伝導率測定方法に関する検討その 1 温度条件に関する検討

摘要

建物の断熱用途には熱伝導率0.022～0.050W/(m?K)程度の断熱材が広く普及しているが，さらなる省エネルギー化を図るためにも，これらの断熱材に比べ熱伝導率の低い材料（低熱伝導率材）の開発や普及が期待されている。一方，開発や普及には，信頼性の高い測定が必要不可欠であるが，材料の熱伝導率が小さくなるほど測定の不確かさは大きくなる事が知られており，低熱伝導率域における信頼性の高い標準的な測定方法の必要性が高まっている。断熱材の熱伝導率の測定方法は様々であるが，中でもJIS A 1412-1で規定される保護熱板法（ GHP法）は，絶対法とも呼ばれ，温度，熱量及び長さの各測定要素の測定値から伝熱特性を求める標準的な測定方法である。本研究は， GHP法を基にして，低熱伝導率材についても現在普及している断熱材と同程度の精度で熱伝導率を測定するための手法を検討するものである。