カレル?タイゲの「最小限住宅」論にみる都市、建築思想に関する研究

摘要

本稿は、チェコの建築批評家カレル?タイゲによって1932年に出版された『最小限住宅（The minimumdwelling）』の読解を通じ、彼の建築思想に迫る研究である。タイゲは1930年にCIRPACの代表として第３回CIAMに参加し、基調講演も行っている。同年、ソヴィエトでは、当時、国内外に大きな影響を及ぼした都市計画書『ソツゴロド』がN.A.ミリューチンによって出版されており、タイゲも影響を受けていることが本書から明らかになっている。以上より、『最小限住宅（The minimum dwelling）』を、当時の西欧諸国の建築思想とソヴィエトの都市計画思想が繁栄されたものと位置づけ、歴史的、地理的に特異な位置づけにある東欧諸国の近代建築思想に対して重要な役割を果たしているカレル?タイゲの都市、建築思想に彼の「最小限住宅」論を通じて迫ることを目的とする。