不連続面に着目した複合降伏モデルによる崩落斜面の地震応答解析

摘要

本研究は2004年10月に発生した新潟県中越地震で崩落した妙見地区の斜面をモデルとして，調査結果に 基づく節理群分布を複合降伏モデルに導入した地震応答解析結果と，以前に検討した不連続変形法(DDA) による挙動解析の崩落の初期の部分の結果と比較し，不連続面が斜面崩落にどのような影響を及ぼすかを 検討した．不連続面の繰返し変形特性は本来，動的繰返し試験に基づくモデル化が必要であるが，ここで は，暫定的に静的な一面せh断試験を拡張した弾塑性の応答特性を考慮した． 本モデル化サイトは，震源から8kmの直下型地震で，上下振動が水平振動とほぼ同程度の加速度であり， これらの結果から，始めに，上下振動により，高角度の不連続面が分離，次に水平振動により低角度の不 連続面が分離し，これらを繰り返すことによりブロック状の岩塊が継続的に崩落したことが示された．