概念抽象階層によるモジュラー地図情報システム•アーキテクチャー

摘要

980年代に欧米で発展した地情報システム(GIS， Geographic Information Systems)は、990年代になると日本でも急速に普及し、日常業務に広く活用されるようになった。地を利用するあらゆる領域を概念抽象階層モデルとして接着空間理論と胞体理論により理論化し、効果的にWeb上で利用できるアーキテクチャの研究を行い、有益な効果が得られた。 地情報には基本的には名前も属性もなく、扱いにくいものである。これまで地を定義するにはトポロジー的な点、線、面と付随した座標があるだけであった。まず、これらの地情報要素をCW複体で対応をとる。次に利用上の情報空間と地情報空間を接着空間理論(adjunction space)の接着関数を用いた同値関係により商空間における対応をとり、接着することによって、従来よりも効果的でモジュラーな情報蓄積結果と再利用可能な検索が可能となる。さらにこの方法を用いることでWeb上の広範囲な利用が行えることを検証する。