舌への電気刺激?振動刺激による味の阻害?増幅効果の検討

摘要

近年，バーチャルリアリティー分野では，食事に含まれる成分を変えずに味だけを変える研究がされている．味覚は，舌にある味蕾が飲食物に含有される物質を受容することで起きる感覚である．本研究では，直接舌に電気刺激を与える電気味覚に着目する．電気味覚の原理は諸説あるが，電気刺激の提示によりイオンが泳動するという説が有力である．電気刺激と振動刺激を合わせることで，電気刺激を提示したときのイオンが泳動して起こる味の阻害と振動刺激による味の阻害が相まると仮定する．そして，刺激提示後に電気刺激のみを提示する場合よりも味の変化する幅が広がるかを調査する．