慣性センサと風向?風速データを加味した船舶の横揺れ特性推定の考案

摘要

船舶には転覆，沈没事故が存在する. その原因として，復原力の喪失が考えられている. 復原力とは，航行中に波などの外力が作用して左右どちらかに傾斜した際に，船の重心位置，浮心位置の位置関係から船体を元の姿勢に戻そうとする力のことである. そのため，復原力が小さい船では少しの外力でも転覆する可能性がある. また，航海中の風と波は操船性能を評価する外力である. 本研究では，各種のセンサから得られた船舶の横揺れ特性を評価することで転覆予兆を検出し，安全な航海ができることを目指す. また，風向?風速データから傾斜角の発生確率を推定し，船体への相対風向が船体の傾斜に影響するかどうか，風が大きければ船体が大傾斜する傾向があるかどうかを示す.