超音波照射によって海綿骨で発生する圧電信号の観測

摘要

骨は生成・吸収（リモデリング）を絶えず繰り返しており，その形状・構造を力学的負荷に適応させる[1]．この特性を利用して，超音波照射による骨折治癒が実用化されている[2]．骨生成には骨が有する圧電性が関係すると考えられており[3]，効果的な骨折治癒（骨生成の促進）を行うためには，骨の圧電性の解明が重要となる．しかし，骨の圧電性は非常に小さいため，その観測が困難である．そのため，超音波（高周波）領域での骨の圧電性に関する報告は少なく，特に海綿骨に関する報告はほとんど見られない．