SIMD実装による乱択バイラテラルフィルタのための画像再配置法

摘要

代表的なエッジ保持平滑化フィルタであるバイラテラルフィルタ（Bilateral Filter: BF）[1] は，エッジを保持したままノイズや外れ値を除去することで画像の主要な特徴を抽出するフィルタであり，画像処理のさまざまな分野で重要な役割を果たしている．バイラテラルフィルタは計算量が多いことが問題だが，数多くの高速化手法が提案されている．その中でも本稿では，乱択アルゴリズムで高速化する手法を用いてSIMD（SingleInstruction Multiple Data Streams）実装する．SIMD実装の際，フィルタカーネル内の参照画素をランダムに間引くパターンを，連続する4 画素毎に共有することで，処理が高速になるがストリーキングノイズが発生する．そこでストリーキングノイズを抑制するために，不連続な4 画素をベクトル化する画像再配置法を提案する．