主観的な実力の見積もりを訂正する学習成果可視化システムの提案

摘要

情報通信業では従業員に，情報処理技術者試験（以下，資格）への合格を求める企業が増えてきている．岩手県立大学ソフトウェア情報学部ではアンケート結果から学生の8割が情報通信業に就職し，その内5割の企業から資格取得を求められている一方で，回答者の2割未満の学生しか資格を取得していないことが明らかになった．また，資格試験難易度を難しいと考えている学生が半数を占めたが，実際の学習時間は30 時間未満の学生が表１の通り21 名と約半数を占めた．以上から学生は資格試験を難しいと感じていながら必要な学習時間を確保しておらず，結果として合格率が低くなっていることが分かった．このとき，学習者が主観的に見積もった実力と実際の実力との間に相違があることが原因として考えられる．