頭髪状物体を対象とするアンチエイリアシング処理されたリアルタイムシャドウイング

摘要

三次元物体は，陰影の付加により立体感を増して描画することができる．しかし，頭髪や動物の体毛に代表されるような，細長い物体の集合にリアルタイムに陰影付けを施す際には，従来のシャドウマップ技法を使用するとエイリアシングが発生する．Kim らが提案したOpacity Shadow Maps[1] や，それを改良したYuksel らのDeep OpacityMaps (DOMs) [2] では，遮蔽物の密度を透明度に置き換えて表現した値を使用して影を描画している．DOMs では，影生成に使用する値の参照をマルチサンプリング化することでエイリアシングを軽減しているが，この手法では完全な除去は不可能である．そこで本稿では，物体の太さと透明度を調整することで，頭髪状物体が地面に落とす影のエイリアシングを除去する手法を提案する．