水晶振動子によるメチルメルカプタンガス及びアンモニアガスの同時測定

摘要

近年，人間から発生する口臭や体臭に関する研究が進ん できており，その発生原因や機構，病気との相関について解 明されてきている。特に人間が病気にかかった時，呼気内に おいて，その病気と関係する物質（バイオマーカー）の濃度 が上昇するという研究や解明が進んでおり，人間の呼気内 の物質を測定することで病気の早期発見を試みるという非 侵襲予備診断としての健康管理手法が期待されている。そ の中でもメチルメルカプタンは歯周病(1,2)，アンモニアは腎rn臓もしくは肝臓疾患を患うと濃度が上昇することが報告さ れている(3-5)。呼気に含まれるメチルメルカプタンの濃度は，rn健康な人間では20 ppbであるが歯周病を患うと500 ppbに まで上昇する(2)。また同様にアンモニアの濃度は健康な人間 では約1ppmであるが肝臓疾患などを患うと10 ppmに まで上昇する(5)。したがって，呼気内におけるそれぞれの濃 度を測定することができれば，歯周病や肝臓疾患といった 病気の早期発見につながると考えられる。