帯域分散伝送におけるSLM 方式適用時の位相平均化による位相シフト量推定特性の向上

摘要

シングルキャリア変調信号をFFT(Fast Fourier Transform)フィルタバンクにより複数のサブスペクトラム(SS)に分割し，衛星中継器の空き帯域に分散配置する帯域分散伝送が検討されている[1]．帯域分散伝送では分割数が増大すると送信信号のピーク対平均電力比(Peak to Average Power Ratio:PAPR)が増大する．そこで，SLM(SeLected Mapping)方式[2]の適用により送信側にて分割したSS 毎に異なる位相シフトを与えPAPR を低減，受信側では位相シフト量を推定し逆シフトする方法を検討した[3]．しかし分割数の増大に伴い位相シフト量の推定精度が低下し伝送特性が劣化する．本稿では，送信側にてシンボル方向またはSS 方向で同一の位相シフト量を与える位相シフト系列を使用し，受信側ではそれらの推定値を平均化することで伝送特性を改善する．