DRoF 伝送に向けた多チャネル地上デジタル放送信号のクリッピングによる量子化数削減効果

摘要

地上波や衛星放送等の放送信号をSCM (Sub-CarrierMultiplexing) し，RF (Radio Frequency) 信号として光ファイバをアナログ伝送する多チャネル映像配信システムは[1]，専用NW を必要とするため，デジタルNW との共用化に課題がある．RF 信号をデジタル伝送するのにDRoF (DigitizedRadio over Fiber) 方式があるが [2]，DRoF 方式を地上デジタル放送信号 (Digital Terrestrial Television: DTT) の再放送に適用する場合，DTT 信号はマルチキャリアのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing) 方式であり[3]，これらを複数チャネル多重された状態のままデジタル化すると，PAPR (Peak-to-Average Power Ratio) が大きくなる．PAPR が大きくなるとA/D (Analog to Digital) 変換時に必要となる量子化数が増えるため，伝送レートも大きくなる．本稿では，光送信装置のみでのA/D 変換において，クリッピング手法を用いることによるA/D 変換時の量子化数の低減効果について検討した．