医療情報技師の内部不正許容度と心理的要因をセキュリティ認証取 得から探る

摘要

近年，組織内部者の不正行為による情報漏えい事件が多発している[1]．このことは，従来の外部攻撃を想定した技術中心の対策だけでは，内部不正行為を抑止できない状況になっていることを示す．内部不正行為が組織内部者の犯行であることから，情報セキュリティ管理には，心理的要因の検討が必須である．情報処理推進機構の調査[2[では，セキュリティ認証を取得しても運用が形骸化しているとある．一方で，医療・福祉分野では，システム技術者である医療情報技師のセキュリティ意識の高さから内部不正による情報漏えいが少ないという報告[3]がある．