次世代衛星移動通信システムの構築に向けた大型アンテナのビーム安定化のためのダイナミック制御技術

摘要

次世代の衛星移動通信サービスのための衛星は、端末の小型化と消費電力の低減の為に、衛星側のアンテナを大型にする必要があり、20 メートル級のものが実用に供されつつある。また、フェーズドアレー方式によるデジタルビームフォーマ（DBF)を採用する事により、必要なサービスエリアをカバーするとともに、周波数の再利用により同時収容できる回線数の増大を図る事により資源の使用効率を向上させることが可能となる。しかしながら、大型展開アンテナを具備した技術試験衛星Ⅷ (ETS-Ⅷ) の実験等から、鏡面歪みによるアンテナパターンの劣化が指摘されている[1]。周波数を有効に利用しつつ次世代の衛星移動通信サービスを実現するためには、アンテナ歪みに起因するビーム形状と指向方向の変化を補償するようビームを制御させ安定化させる技術の開発が必要とされている。