磁気飽和ECTでの傷周辺における磁化分布と渦電流分布の関係評価

摘要

ばね鋼材に対する磁気飽和ECTにおいて，傷周辺における磁気飽和磁化による磁束密度分布，およびECTによる渦電流分布を有限要素法により解析し，磁化とECT信号との関係評価を試みた。得られた結果を以下に示す。磁化励磁電流を変更することにより，傷周辺の磁化状態の変化を把握し，透磁率分布が渦電流分布に影響を与えることを確認した。傷深さを変更することで，高透磁率の発生領域が変化することを確認した。各方向成分の渦電流を評価することにより，信号に影響を与える渦電流成分を把握した。渦電流密度と試験体の空間に生じる磁束密度の評価により，探傷信号の強度と渦電流密度の強度は比例関係であることを確認した。%In the magnetic saturation eddy current testing (ECT) for a steel material, distribution of the magnetic flux density for the magnetization of the magnetic saturation and the eddy current for the ECT around the crack were confirmed using a finite element method analysis, and the relationship between the magnetization and the ECT signal was evaluated.