４階建てスチールハウス連層耐力壁の最適配置設計における目的関数の改良

摘要

遺伝的アルゴリズムを適用した４階建てスチールハウス連層耐力壁の最適配置設計において，耐力壁の枚数の最少化，特定の構面への耐力壁の優先配置，強度大小を考慮した耐力壁の選択，に焦点を当てた目的関数の改良を行い，これらの効果を試設計により確認した．得られた知見を以下に示す．1. 目的関数において最少化する壁量の指標を，壁幅から壁枚数に変更することで，壁幅の小さい耐力壁（1.0P）の配置を，より壁幅の大きい耐力壁（2.0P）に集約する．2. 耐力壁の配置を考慮した重み付係数を目的関数に導入することで，特定（外周）の構面を優先して耐力壁を配置する．3. 強度の大小による耐力壁の選択を考慮した重み付係数を目的関数に導入することで，強度大および強度小の要否に応じて選択した耐力壁を配置する．設計対象に応じて妥当な重み付係数を設定する手法の確立が今後の課題である．