材料組織変化の情報を用いた準安定相のギブスエネルギーパラメーター推定

摘要

材料開発において，準安定相を含む材料組織の制御が必要になることがある．理論やシミュレーションに基づいて組織変化を予測するためには，各種の理論式・構成式やシミュレーションモデルに含まれるパラメーターの値が明らかになっている必要があるが，相平衡実験によって準安定相のギブスエネルギーパラメーターを決定することは困難である．このような未知のパラメーターを求める手法の一つにデータ同化がある．データ同化とは，観測／実験データを数値モデルに取り込み，モデルの最適な場や初期条件を求める数学的手法である．データ同化により，実験で得られる組織の情報から，実験的に決定することが困難なパラメーターの値を推定することができる可能性がある．