領域積分法に基づく新しい三次元J 積分とΔJ 積分の定式化と数値解析例

摘要

本論文では，著者らが最近提案している，領域積分法に基づく新しい三次元J 積分とΔJ 積分について，それらの定式化と数値解析例について表す．J 積分はRiceにより二次元き裂のエネルギ解放率を表す破壊力学パラメータとして提案された．J 積分はき裂の周囲を囲む経路積分で定義され，その値は積分経路の取り方に依存しない「経路独立性」という性質を有する．さらに，荷重経路依存を有する材料の破壊力学問題に対してT*積分がAtluriらにより提案され，繰返荷重問題への適用（Brust ら）された．き裂進展問題ではOkada らがT*積分の物理的意味の考察から，T*積分をT_ε ∗ として再定義している．