団地型(賃貸)集合住宅のストック活用に関する研究 その２:ストック活用に関する計画の経済価値・利用価値の推定について

摘要

ストックの利活用の建築計画上の根拠の一つである、経済的要因に踏み込んだ既往研究が少ないことに着目し、昨年度発表した、同名の研究（その１）－シェア住居の居住者特性について－(注１）に先立ち、事業主である一般財団法人住総研が所有し、運営する賃貸集合住宅3 か所の1 つ、「市ヶ谷加賀町アパート」（以下、加賀町アパート）のストック活用に対して平成２１年８月以降実施した対策の、経済価値・利用価値を包括的に検証し、今後の建築計画上の指針とするべく実施した実践的研究である。併せて、賃貸集合住宅居住者間・周辺地域住民とのコミュニケーションが極めて少ない現状に鑑み、当該団地内外のコミュニティの実態把握と、今後共同体として望まれるコミュニティに向けた施策研究の基礎データ収集を目的としている。