繊維補強セメント複合材料を利用したハニカムパネルの作製と性能評価に関する基礎的研究

摘要

近年温室効果ガスが一因と考えられる気候変動の進行が叫ばれており、各分野の省CO_2 化が求められている。コンクリート分野では、セメント製造過程における排出CO_2 量が多く、省CO_2 化のためにはセメントの使用量を抑えることが有効である。この実現の手段として、繊維補強セメント複合材料(以下FRCC とする)によってハニカム構造を構成することを提案する。FRCC は高い引張強度と靭性能を有しているため、薄肉のハニカムリブとしながら、脆性的な破壊やせん断破壊に抵抗が可能であると考えられる。本研究では、FRCC を用いたハニカムパネル実現のため、①：高い力学特性と流動性を併せ持つFRCC の材料設計、②：①で開発した調合を用いた簡易ハニカムパネルの力学性状の把握を目的とする。