既設耐震壁のあと施工開口に対する鋼板補強効果に関する研究その１　静的加力試験

摘要

既設耐震壁のあと施工開口に対する補強方法として鋼板補強を対象に、耐震壁にせん断力が作用した場合の応力状態を模擬した静的加力実験を実施し，以下の結果を得た。①開口を有する試験体のひび割れは開口内部両脇で顕著となった。また、アンカー部分でのずれは生じなかった。②鉛直方向のひずみは開口両脇で大きくなり、開口回りの鋼板は有効に機能していたことが伺える。③鋼板と躯体の定着面積が最大耐力に与える影響は小さく、片面補強と両面補強でほぼ同等の耐力を示した。