アルミニウム押出形材の最適断面設計に関する研究

摘要

環境への意識が高まる現代において，リサイクル性に優れたアルミニウム建築が多大な注目を浴びている。しかし，アルミニウム建築が求められているにもかかわらず，未だ広く一般的に普及しているとは言えない。その最大の理由の一つにコストの問題が挙げられる。アルミニウム押出形材は，ある程度の制約があるものの，比較的自由な断面形状を形成することができ，建築構造に多くの可能性をもたらすと考えられている材料であるが，鋼材に比べてアルミニウム製造のコストが非常に高価であること，また鋼材のように規格品が存在せず断面形状を設計する必要があることなどが設計者にとって妨げとなり，アルミニウム押出形材を構造部材に使用する建築家が少ないのが現状である。そのため，アルミニウム押出形材のコストを削減し，アルミニウム押出形材の規格品を作成することは，アルミニウム建築を普及させるための重要な課題である。