貯留水ヒートポンプ運用時の熱源温度予測手法に関する研究その4 CFD 解析によるヒートポンプ運用時の放熱過程と熱源温度

摘要

著者らは、瀬戸内地方に多数賦存する農業用のため池や調整池、貯水地のうち、年間を通して水位が安定している水体（以下、貯留水）を、未利用エネルギーの一つと捉え、ヒートポンプの熱源として熱交換器を介し間接的に利用するシステムを検討してきた。既報では、CFD解析により、放熱器周辺の流れや温度変化など、底部への放熱が貯留水に与える影響を確認した1）。しかし、実際の放熱器の容量や設置間隔を検討するには至っておらず、さらなる検証が必要であった。したがって、本報では引き続きCFD 解析を用いて、夏季冷房時および冬季暖房時の貯留水内の水温分布や流れの性状を視覚的に明らかにする。また、放熱器の設置間隔／形状／設置数などの設計条件、運転時間／休止時間などの運用条件をパラメータとしてケーススタディを行う。