医療・福祉施設における感染リスク低減に関する研究その38 模擬電車内における顔面接触行動の測定

摘要

本報では、模擬電車内における顔面接触回数を計測し、行動内容との関係を把握した。行動内容で比較した場合、非動作時よりもスマートフォン操作時に顔面接触回数が増加していることが分かった。隣接者の有無を検討した結果、個人差による影響が大きく、隣接者による影響は確認されなかった。したがって、前報の結果と同様、顔面接触時の行動内容により顔面接触回数が異なる傾向が見られた。接触感染リスクを評価する際には、接触時の行動内容を考慮する必要があると考えられる。また、本報では、行動内容を2 つに分類して取り上げているが、実際の電車内では読書や音楽を聴く行為など過ごし方は多岐にわたる。そのため、電車内での接触感染リスクについて考える場合、実際に取られる行動に基づき、その他の行動パターンを検討する必要がある。