丹下健三の記述における「生活」について

摘要

丹下にとって「生活」とは，現実の社会条件において，近代主義化・進歩と形式主義化・伝統の２つの傾向にあり，それらを抵抗発展させることが「生活」の表現であり，建築として捉えていたことがわかる。（2）「生活」は，空間の限定化の追求から，過去の伝統を典型化していた。また，「生活」は機能分化そのものであり，「生活」によって建築空間が限定される。したがって，典型化された「生活」は，機能と対応し，建築創造において機能と空間を統一させることがわかった。（3）