全周パノラマ画像を用いた街路空間の記述法に関する研究:視覚情報の定量化による基山町長崎街道沿いの街並みの「図になりやすさ」について

摘要

私たちの身周りには絵画や音楽、食事、匂い、足裏感覚など多くのまとまり ( ゲシュタルト ) が溢れている。特に都市において街並みを理解するに際し、見え方のまとまりを理解すること、つまり都市の地と図の関係を、人の目線の高さから読み解く事が、都市の街並みの特徴を理解するうえで重要であるといえる。都市において図が連続的に配置される事によって、 私たちは街路空間を歩く際に空間のリズムを感じることができる。つまり「図になりやすさ」を連続的に見るということは都市のもつ空間のまとまりを把握する事につながり、空間の連続性を把握する事ができる。本研究では「図」を ' 視野の中で形をもって浮き出て見える領域 ' とした上で、街路空間の見え方に関する地と図の分化、すなわち「図になりやすさ」に注目し、佐賀県基山町長崎街道沿いを対象として、全周パノラマ画像を用いて空間記述を行う事で、街路空間の特徴を定量的に記述する事を目的とする。