日本植民地期京城における公園施設に関する一考察:奨忠壇公園内の施設計画を事例に

摘要

戦時期には、公園の規模と場所によって公園性格が異なっていくことが伺える。南山公園では朝鮮神宮前の広場と位置づけられ13、国家行事の中核とされた14。一方、前回報告した社稷壇公園では防空消火用貯水槽と児童用プールを兼用させるなど、主要防空施設として整備される。すなわち運動公園は防空空地と運動場、広場の中間でさまざまに位置づけられた。そこにあって、奨忠壇公園は、戦時の軍事宣伝・広報用途の体育施設及び広場・会場として代表的役割を担っていたということができる。韓国解放後の奨忠壇公園は、南山一帯の保安林を入れ新しく公園指定される南山公園と一緒にソウルの中枢的な大公園造成計画に便乗15、ソウル首都再建記念公園として新たな広場公園の役割を受け継ぐことになる。