鉄筋コンクリート造立体部分架構実験によるスラブ有効幅の検討 (その7 直交梁の変形適合に関する検討)

摘要

筆者らはこれまで合計 体の立体部分架構実験を実施し，外力と釣り合うスラブ端部での負担モーメントを算定し，いずれのケースにおいても概ね水平変形角1/100 ～1/175(rad) 程度で全幅有効とした時の計算強度に達していることを明らかにした。一方で，実験値にはスラブ筋の歪み硬化，応力中心間距離，圧縮鉄筋等の影響がある。計測されたスラブ筋や梁主筋の歪についても，解析モデルのようには規則性がなく，実験結果からスラブ全幅有効強度の一般性を検証することには限界がある。汎用的に設計に反映させるためには理論的な解釈が重要になる。,Deng，金，筆者らは立体部分架構の実験結果を再現する有限要素法解析モデルを構築し，荷重変形関係，梁軸伸び変形等について整合する結果を得ている( が，スラブ筋の歪み分布等については実験と整合した結果が得られていない。そこで，本研究では,Deng，金らが開発した有限要素解析モデルを用いて解析モデルにおけるスラブ端部のスラブ筋歪分布が生じるメカニズムについて検討した。