高齢者介護施設の室内温熱環境に関する研究（その1）熱・空気環境の実測調査と改善策

摘要

寒冷地に建つ1 つの高齢者介護施設の温熱環境の実態調査を行った。館内の複数点で温湿度・二酸化炭素濃度を連続的に測定し、夏期、冬期の室内温熱環境を把握した。また、現地での調査より、建物の利用状況を把握した。その結果、夏期の暑さ対策が不足していること、冬期のヒーティングが過剰気味であり、調整の余地があることが明らかとなった。また、冬期において、空気の移動経路に配慮した換気の運用を行うことで、低湿化の抑制、コールドドラフトの抑制、空気質（感染症対策）、省エネルギーの観点での改善の可能性があることを示した。