空間利用者の安全性・快適性評価のための群衆のピーク密度解析運用時を想定した群衆解析とBIM の活用（その２）

摘要

本研究では空間利用者の安全性・快適性を評価するため、歩行不可領域付近でも不自然に人密度が低下しない人密度計算手法を提案し、ピーク密度マップを作成して実験を行なった。その結果、以下のことが確かめられた。1. 本研究の人密度計算手法は、壁等の歩行不可領域付近でも不自然に人密度が低下しないため、雑踏事故発生の危険性評価のために有用である。2.本研究の密度計算手法は、建物・外構の複雑な形状に対しても利用可能な詳細さを確保できる。3.一定の時間帯の密度マップから人密度の最高値を１枚に表現するピーク密度マップは、雑踏事故発生の危険があり得る場所の洗い出しに有効である。今後の課題としては、人密度以外の他の要素も考慮した安全性・快適性の評価・提示手法の確立が挙げられる