中層CLT パネル工法建築物のための高耐力接合部の開発 その1 既往の接合部を用いた門型鉛直構面の水平加力実験

摘要

CLTパネル工法の構造設計に関する技術基準は平28国交告第611号に規定され、構造計算に必要な技術的指針は設計施工マニュアル1) (以下“マニュアル”)に記載されている。CLTパネル工法のうち矩形のCLTパネルを組合わせて鉛直構面を構成する「小幅パネル架構」では一般にCLTパネル自体はほぼ剛体として挙動し、その水平耐力性能はほとんど接合部の構造性能によって決定する。マニュアルには標準的接合として、引張接合では引きボルト接合、ビス打ち鋼板にボルトを直列に接続した接合、せん断接合では平形、U形、L形の鋼板をビス打ちした接合の構造性能が掲載されている。圧縮接合のうちCLT壁パネル-基礎についてはCLTパネルの支圧性能、CLTパネル相互およびCLT壁パネル-土台についてはめり込み性能に基づく構造性能の算定方法が示されている。