大学図書館におけるラーニング・コモンズ空間の整備実態と学生の利用動向

摘要

筑波大学附属中央図書館における空間分析からは，中央図書館のラーニング·コモンズが図書館の中心的な位置に配置されていることや，個人学習席は近接中心性が低いェリァに多く配置されていることが示された.また利用者に対するヒアリング調査からは，学生によって図書館や学習空間に求める機能が異なることや，ラーニング·スクェアが利用者に開放的な印象を与えていることなどがわかった.両者を比較考察すると，図書館の中心的な位置にラーニング·コモンズが設置されていることによって，学生に対して開放的で明るい印象を与えていると考えられる.また，学生からの一人で静かに集中したいという需要に対しては，近接中心性が低くアクセスしづらい，つまり人通りが少ない位置に設けられている，個人学習席が需要を満たしていると考えられる.