京阪神都市圏における駅間移動特性からみた鉄道駅の自立性に関する研究

摘要

近年、様々な分野において人口減少・少子高齢化社会の影響を懸念する動きが高まっている。このような背景から近年では、大都市圏の構造を評価する研究がなされており、放射状・多極型といった集積核を基準とした見方がされてきた。しかし、広原ら(1)のように職住近接と分離の両面の性質を持つミニ都市核の概念を提示するなど、新たな捉え方が提示されつつある。一方、同一市町村内を並行に複数の鉄道路線が走っている場合には、同じ市町村内において複数の駅が機能を分担しミニ都市核としての役割を果たすことが考えられる。そこで本研究は、ミニ都市核の形成に向けて、交通流動に関するパーソントリップデータ(大都市交通センサス)を用いて、鉄道駅の持つ職住近接・分離の両方の傾向の実態と、その分布の傾向を確認することを目的とする。