エコツーリズムに関する住民意識 －福島県北塩原村を事例として－

摘要

我が国では、本格的な人口減少、深刻化する地球環境問題、厳しさを増す財政状況などへの対応が求められている中にあって、環境保全と観光振興と地域活性化を同時的に実現する重要な政策として、エコツーリズムの推進が期待されている。本研究の対象地である福島県北塩原村では、平成13 年に「檜原湖国際トレッキングフェスタ」とあわせて開催された日本エコツーリズム協会主催の「国際エコツーリズム大会」を契機として、エコツーリズムが取り組まれ始めた。その後、平成15 年には環境省の「エコツーリズム推進モデル事業」の実施地区に選定され、現在ではさまざまな民間団体によって、裏磐梯の五色沼自然探勝路を中心とするエコツアーが実施されており、平成16 年に設立された裏磐梯エコツーリズム協会によって、エコツーリズムカレッジ（学習講座・ガイド養成講座）、広報活動やイベントなどが行われている。本研究は、北塩原村の住民を対象とするアンケート調査の結果に基づき、エコツーリズムに関する住民意識を明らかにすることを目的とするものである。