賃貸共同住宅におけるセルフ·リノベーションの実態と特性: 賃貸共同住宅におけるセルフ·リノベーションの評価（その2)

摘要

SRは、居住者の機能的、あるいは意匠的な個別の住要求に相応しい住環境を居住者自らの手で創り出すことであり、その方法は、技術·予算·嗜好などを踏まえた居住者個々の裁量に委ねられるが故に、個性的で多様なものとなる。あわせて、次の入居者や近隣に対する無意識の配慮も作用した自律的な改修〈6·7〉となっている。そのことは、貸し手からは不信の対象と捉えられ、原状回復義務などによって管理されていた住み手が、信頼·期待に足りる存在であり、より良き住環境づくりに向けての協働者へと、その位置づけを転換可能なことを意味する。