ケーブルと曲げ材で構成された鞍型HP曲面構造の基本的構造特性に関する研究: (その１)曲げ材とケーブルの断面積比の影響の把握及び座屈実験の概要

摘要

ケーブルに発生する張力が架構の剛性や形状を決定するケーブルネット構造は、偏荷重に対する変形抑制、動的荷重時の振動問題、大きな水平反力の処理などの構造設計上の問題が存在する。これらは曲げ剛性を持たないケーブル構造特有の問題である。これらの諸問題に対して、初期張力及び付加荷重時の張力変動量を低減しつつ変形量を抑制する方法の１つにケーブルを曲げ材に置換する方法がある。本論では、鞍型HP 曲面を有するケーブルネットの押えケーブルを曲げ材に置換した構造（以下、「本構造」、図１）を対象とする。以下に期待される構造的な効果を示す。