立地と配置に着目した仮設住宅団地の屋外熱環境に関する夏季実測:石巻市仮設開成・大橋団地を対象に

摘要

長屋形式の平屋鉄骨プレハブ造の応急仮設住宅が建ち並ぶ石巻市仮設開成・大橋団地を対象に、夏季実測を行なった結果を以下にまとめる。1）周辺環境の影響として、夜間、川風や冷気流による気温低減効果を団地内で確認した。ただし、その効果は河川、斜面緑地付近で限定的である。2）東西に長い住棟の間隔（通路幅）は建設当初4m であったが、その後風除室等の増築により通路幅は実質2m 程度に狭くなっている。日中、通路内の気温は、他の場所に比べて1～2℃高い傾向にあった。これは室外機からの排熱や通路内を風が通らないことが原因と考えられる。この住棟間隔の狭さは、冬季では日当たりの悪さの要因となることも別途確認しており、計画段階からの見直し改善が必要である。