インドネシア・パダン旧市街地における地震前後の環境移行に関する考察／ 2009年西スマトラ沖地震後のパダンにおける歴史的町並み復興 その８

摘要

以上の環境移行の考察より、パダン旧市街地では、これまでの大規模な地震による被害を受けながらも、環境を変化させながら、生活が営まれ続けていることがわかる。そのパターンは前投稿の「インドネシア・パダン旧市街地の歴史的町並みと生活実態に関する考察:2009年西スマトラ地震後のパダンにおける歴史的町並み復興その7」で、ⅰ.2階から1階への移行、ⅱ.各部屋の使い方の再編、ⅲ.居住メンバーの移動、ⅳ.改修し、再使用の４つが確認できたが、本研究ではさらに細分化した12のパターンが確認でき、それを①建物内の移行、②敷地内の移行、③敷地外の移行の３つに大別することができた。一方、パダン旧市街地から別の地域へ引っ越してしまう事例も確認できており、今後、この傾向が増加する可能性も考えられる。