イサム・ノグチのgarden における景観論的研究Ⅱ:'A Sculptor’s World”にみるコンセプトと言説の関係

摘要

前稿では、イサム・ノグチ（1904-88）のA Sculptor’sWorld (Harper & Row Publishers, 1968)における、garden 作品解説の全言説をセンテンスごとに整理し、制作思想に関わる８つの「制作思想カテゴリー」を抽出した（表２）。本稿ではgarden の全体コンセプトと制作思想カテゴリーの相関を明らかにすることを目的とする。１．２．資料の説明と研究の方法A Sculptor’s World では、‘theater’ ‘invention’ ‘architecture’‘gardens’ ‘playgrounds’の５つが設定されている。そのうちtheater、garden、playground の３つには全体を総括するコンセプトが述べられた後に1933 年から1966 年までの作品解説が行われる。本稿では、garden のコンセプト及びgarden に関する作品解説を対象に分析を行う。分析は、以下の３工程で行う。