RC 柱における鉄筋腐食による腐食ひび割れおよび横補強筋挙動 その3 実験結果および考察

摘要

RC 柱の塩害を促進腐食により再現し，鉄筋腐食とひび割れおよび横補強筋ひずみの関係性について検討を行った。以下にその1 からその3 を通し，得られた主な結論をまとめる。1) 実際のRC 柱の配筋を再現した1/1 スケールの試験体を用い，促進腐食において実環境における塩化物イオン濃度分布を再現した結果，中間部主筋，隅角部主筋，横補強筋の各腐食量の比がおよそ1:2:5 となる結果を得た。2) 限界腐食量および限界腐食量時における横補強筋ひずみに与える水セメント比の影響を定性的に評価出来た。その結果，水セメント比がおよそ50%付近で限界腐食量，横補強筋ひずみ供に最大となる傾向が示された。3) 既往の文献資料1)に示されるコンクリート表面に腐食ひび割れが生じる時点における鉄筋腐食量（限界腐食量）の評価式を修正し，既存RC 柱の限界腐食量の評価時に合格率95%で安全側となる評価ができる可能性を示した。