建築躯体技能工養成のためのＲＣ造施工実習モデルの開発

摘要

建築躯体工事職種の有効求人倍率は、2013年度の全国平均で6.36倍（全職種平均は0.97倍）であった。被災地の宮城県では12.97倍（2014年4月・宮城労働局）に上っている。この傾向は少なくとも2020年頃まで続くと見られ、建築躯体技能工の確保・育成は緊急課題である。2011年から東北職業能力開発大学校などで実施してきた震災復興職業訓練（建設施工科）の実習内容は、見直し・改善を行うことで建築躯体技能工養成のための施工実習モデルになり得るものと考え、改善提案を行った。（独）高齢・障害・求職者雇用支援機構では、国土交通省の要請を背景に、厚生労働省の意向を受けて、2015年度からＲＣ造の躯体工事職種を養成する離職者訓練コースを設置する計画である。そこで実施する施工実習においては、本稿の改善提案を反映した実習モデルを採用することが具体的に検討されている。技能工養成のための教育・訓練は、多様な組織において、それぞれ異なる期間で実施されると推測されるため、幅広い普及・展開を目指してＲＣ造の施工実習モデルを複数開発し、関係資料をライブラリー化する計画である。