立体視を使って旋光を学ぶ教材の検討

摘要

現在の学習指導要領では光の性質は中学1年生から本格的に学習が始まる。中学校では、光の反射、屈折および 凸レンズの働きについての学習が中心であり、高校においては分散、波長、偏光などについて学習するとともに 光の回折、干渉についても学習する〔1〕。しかし光の性質には、中学校や、高校では学習しない円偏光、ファラデー効果といった様々な現象がある〔2〕 〔3〕。中でも旋光は旋光計として糖類の分析や薬局での医薬品の試験に 使われており〔3〕、直線偏光した光がある種の物質内を透過する際に偏光面が回転する現象である。ところで、 現在バーチャルリアリティ一や3Dに関する技術の進歩が著しく、立体視は多くの人が興味を示す分野である〔4〕。 そのためバーチャルリアリティ一や3Dを用いた教材は生徒に興味関心を持たせることが出来る。3Dによる立体 視の手法にはステレオグラムゃァクティブシャツタ一式など様々な方法がある。これらの手法のうち自作が容易 な手法としてアナグリフ法が挙げられる。この方法は赤と青のフィルターを使用し、光の透過吸収を利用して映 像を立体的に見せる方法である〔6〕。アナグリフ法の原理を応用すると赤と青のフィルターではなく旋光による 砂糖水の色の変化で2色を作り出すことによって立体視が可能となるはずである。そこで本研究では、白色LED ライトを使用し、旋光による砂糖水の色の変化、選択を利用したアナグリフ法による立体視の可能性について検 討を行うことを目的とした。