Y_2O_3安定化ZrO_2とY_2O_3を中間層に用いた電磁鋼板上へのYBCO 薄膜の作製

摘要

市販のREBa2Cu3O7(REBCO)高温超伝導線材の製造法はNi-W合金やハステロイなどのテープ上に複数 の中間層を2軸配向させたのちにREBCO薄膜をェピ タキシャル成長させる方法が用いられている.我々は REBCO線材の低コストでの製造を目的とし，{110} <001>集合組織を有する安価な電磁鋼板に着目した. これまでに電磁鋼板上にYBCO薄膜のェピタキシャル 成長に適した結晶方位に選択成長する中間層として力 ルシア安定化Zr02(CSZ)や，イットリア安定化 ZrO2(YSZ)を見出レ, 2軸配向したYBCO薄膜の作製 に成功した.しかし前者を利用したYBCO/CeO2/CSZ /Feなる構造[1,2]を持つYBCO線材の臨界電流密度 (Jo)tt 4.2 ×104 A/cm2 (77K,自己磁場）であり，実用レ ベルのJc(~106 A/cm2)と比較すると低い値であった.こ れは電磁鋼板と中間層の間に酸ィ匕物が生じ，凹凸が発 生することで結晶構造を乱しているものと考えている. そこで本研究ではCSZに代えて電磁鋼板との反応性が 低いYSZを中間層に用い，さらに酸素拡散防止機能の 強化のためにCeO2のかわりにY2O3を使用してYBCO 薄膜の成膜を検討した.