プラズマ処理したマルチカーボンナノチューブの官能基修飾のナノチューブのサイズ依存性の調査

摘要

カーボンナノチューブ（Carbon Nanotubes, CNTs）は優れた物性を持っていることが広く知られているが、現在においてもその有効な応用例は実現されていない。それは、CNTs が持つ化学的安定性が1つの要因であり、その特性を乗り越える例の1つとして、複合材料としての利用が考えられる。ただ、複合材料の応用としても、決して容易ではなく、一般には CNTs を表面処理することで、官能基を修飾（機能化）することにより、その扱いのハードルを下げることができる。これまで CNTs をプラズマに曝すことでも、その化学的柔軟性を付加することができることが知られており、特に、我々の経験によると、その官能基修飾が、特にサイズの小さい CNTs に優先的に修飾されるということがわかってきた。そこで本研究では、プラズマによって修飾されたイソシアネート基に着目して、プラズマ処理後の CNTs サイズ分別を行うことで、修飾率が変化するかどうかについて調査を行った。